アウトドア好きが長野県上田市に移住して良かったこと悪かったこと

コロナ禍をきっかけにリモートワークが本格的に導入され、work=仕事とvacation=休暇を合わせたワーケーションが注目されています。

筆者は都内の企業で働く身ですが、リモートワークが中心で出社頻度が低いならと思い切って長野県上田市に移住しました。そこで1年間暮らしてみて、良かったこと、都会暮らしとあまり変わらなかったところ、逆に困ったことなどを書いてみます。

概要

  • 登山、サイクリング、スキー、キャンプなんでも近場で楽しめて最高!!(←これを期待してた)
  • 旅行は場所を選ぶ。特に関西方面は行きにくい。
  • 家賃が安くその分生活水準が上がる。
  • 街を選べば車がなくても生活できるが、あったほうが遊びの幅が広がる。
  • 東京に出るのは時間こそかかるが、座って机付きで快適。
  • 夏は暑いが高山へ逃げられる。冬は寒いがモノで解決できる。

上田市の紹介

上田市は、長野県東部に位置する人口15万人ほどの都市です。菅平高原美ヶ原高原に挟まれた盆地に街があり、ショッピングモール等生活に必要な施設がコンパクトにまとまっています。

上田市中心に位置する上田駅は北陸新幹線の停車駅となっており、東京まで1時間半でアクセスが可能です。また、第三セクターのしなの鉄道で軽井沢にも長野市にも40分ほどで行くことができます。さらに、上田電鉄別所線のほか、市バスも多く走っており、想像以上に交通網は発達しています。

高い山に囲まれた地形のおかげか、晴天率が高くアウトドア好きには嬉しいです。夏は運動できないくらい暑い日も時々あり、冬は路面が凍って自転車には乗れません。雪は降りますが、雪かきしないと外に出られないということはないです。

数年前の大河ドラマ「真田丸」の舞台になったこともあり、上田城をはじめ歴史的な施設が多くある印象ですが、歴史に明るくないので他の記事に譲りますw

アウトドアの充実

移住して最も良かったのが、週末のアウトドアの充実でした。

特に恩恵が大きかったのはスキーに行きやすいことでした。上田市からは菅平高原スキー場まで路線バスで1時間ほどで行ける上、シーズンパスの市民価格が用意されているため、かなり手軽になりました。もし車があれば志賀高原や八方尾根など、関東からは夜行バスを使って宿泊付きで行くようなスキー場へ行く際も、明るくなってから家を出ても朝イチで滑り始めることができます。

サイクリングも快適です。長野であっても街中は信号がありストップ&ゴーを繰り返すことになりますが、そこを抜けるまでの時間が短いことがとてもありがたいです。首都圏であれば、信号がほとんどないような道に行くためには輪行が基本になりますが、長野であれば30分も走れば信号のない地域まですぐに行くことができます。標高1000m級の峠を登って景色を堪能するだけでなく、温泉を目標にして登って帰りは汗をかかずに降るだけなんてプランもありです。

さらにアウトドア施設が空いているのも嬉しいです。首都圏では河川敷のサイクリングロードは混雑していて走りにくかったり、キャンプ場の予約も一苦労でしたが、長野ではサイクリングロードが混んでいて走りにくいということはまずありません。また、直前の予約でも入れるキャンプ場がたくさんあり、今週末は天気がいいからキャンプしに行こうという気軽さが手に入りました。無論、キャンプ場に行かなくても、家の庭や河川敷でキャンプをしている人はたくさんいますw

登山に関しては、高い山に登りやすいところがメリットになりました。北アルプス、中央アルプス、南アルプスと3000m級の山脈に囲まれているので、視界が開けて絶景を楽しめる森林限界まで日帰りで登る機会が圧倒的に増えました。特に、運動できないほど暑い時期には、標高2000m近くまでロープウェイ等で登って、20℃程度の涼しいところだけをハイキングすることができます。

一方で、森林の中を歩くようなタイプの山歩きは、鉄道アクセスできるところが限られるので、車を持たないのであれば都会に住んでいた方が行きやすいかもしれません。(もちろん車があればいくらでも登れる山があると思います)

旅行

旅行に行かずとも、週末が来るたびに非日常な体験ができますが、旅行に行きやすいかは気になります。

飛行機や新幹線は都会と都会、都会と観光地を結ぶものが多く、観光地と観光地を結ぶものは限られます。長野は観光地の立ち位置なので、東京には出やすくても、観光地には行きにくいです。

例えば、京都に行こうとすると、東京経由で北陸新幹線と東海道新幹線を乗り継ぐか、名古屋まで特急を使ってそこから新幹線かという選択になりますが、どちらも4時間ほどかかります。また、静岡は車がないと想像以上に遠いです。北陸方面は新幹線があり簡単に行けるのと、東北方面は大宮まで1時間程度なので、比較的ハードルは低いです。

飛行機を使う場合は松本空港から札幌や福岡、大阪などへ行くことができますが、格安航空は期待できないため、比較的割高になります。

旅行の計画を立てようとすると、時間や交通費をみて白馬でいいじゃんwってなるのがオチです。

普段の生活ってどうなの?

都内に比べると家賃は半分から7割くらいでしょうか。リモートワーカーが大半の時間を過ごす自宅のクオリティを上げやすくなるので、家賃が安いことは結構重要だと思っています。もちろん同じ広さの部屋を借りて、浮いたお金で車を買うもよし、近くのカフェで仕事する頻度を増やすもよしと、選択肢が増えるのは嬉しいです。ただ、不動産屋さんの話だと、3LDK以上になると家を建てる人が増えるので賃貸が減るとのこと。

田舎暮らしといえば、車社会をイメージされる方も多いと思いますが、ショッピングモールがある都市ならその近くに家を借りれば、車が生活必需品とまではならないと思います。(ただし、通勤で使う場合は必需品です。)上田駅前にはArioというショッピングモール、少し離れたところにイオンモールがあり、必需品は揃います。また、自転車があれば行動範囲は広がりますが、必要なものを買うというよりは、外食のバリエーションが広がるくらいのイメージでしか使ってないです。

車が欲しいと感じるのはどちらかというと週末遊びに出かけるときです。スキー場、キャンプ場、サイクリングにしても、車があると選択肢が格段に増えます。1年目は、公共交通機関で行ける白馬、菅平、軽井沢などを楽しみましたが、草津や志賀高原、八ヶ岳、美ヶ原等々車がないと行きにくいところはたくさんあります。ただ、週末遊びに行くなら、レンタカーやカーシェアでも十分力になってくれます。

首都圏に住んでいたときに比べると普段気にかけないような細かい交通費がかからなくなりました。200円程度で2,3駅は乗れる上、Suicaなどを使っているとお金を使っている感覚は薄れますが、あとでチャージ額を見るとまあまあな出費になっていたと感じました。その点、長野暮らしを始めてからは、電車・バスの本数が少なく駅間も長いので、いくらかかるか確認して他の行先と比較してから出かけることが多くなりました。まぁ、片道3000円使って白馬に行く頻度は増えましたがw

ライブや映画、演劇などは種類が限られるかもしれません。特に、マイナーなジャンルが好みの場合は、東京でしかやっていないなど、悔しい思いをするかもしれません。同様にコミケなどの大型のイベントはほとんどないので、一度に色々なものを見る機会は減るかもしれません。この辺りの趣味がある場合は、得られるアウトドア面のメリットとの比較が大切だと思います。

筆者はマンション暮らしのためか比較的楽をさせてもらっていますが、ゴミ捨てや自治会のルールは都会に比べると厳し目かもしれません。上田市の場合はゴミの分別はもちろんのこと、ゴミ袋に名前を書く必要があります。また、自治会の活動にも積極的な参加が求められる場合があるようです。

通勤の時間は比較的有効に使えます。東京まで1時間半から2時間ほどになりますが、新幹線のため必ず座れます。また、WiFi環境が整っている上に机もあるので、PCでネットサーフィンや動画を見て過ごすこともできます。北陸新幹線に車内販売はありませんが、乗車前にお弁当を買って食事をするのも効率的な時間の使い方になります。最近は自席で通話ができる新幹線オフィス車両が連結されており、仕事を進めたり(節度を持って)リモート飲み会に参加することもできるかもしれません。

寒くないの?雪は降らないの?

寒いです。東京なら真冬の最低気温が氷点下になるかならないかくらいですが、上田市は日中の最高気温が氷点下ということもあります。日が沈んでからは、10分歩くだけで耳がジンジンしてきます。とはいえ、ダウンを着込んだり、帽子を被ったりといった服装でなんとかなります。スキーウェアを着て過ごしている人もいるそうです。ただし、手袋が効かないくらい寒いのに加えて、路面が凍るので自転車に乗るのは諦めて、冬は冬らしくスキーに行くことにしています。

また、エアコンもこだわりました。動作温度が-7℃くらいの普通のエアコンだと、止まってしまうことがあると聞いたので、寒冷地仕様のパワフルなものを購入。昨年は止まることなく冬を越せました。この辺りは、借りた部屋が木造か鉄骨か、二重窓になっているかどうかなども重要だと思います。

雪の具合は年や地域差が大きいのでまだなんともいえませんが、少なくとも豪雪地帯ではないです。家から出られないほど積もったりはしませんが、写真くらいの路面にうっすら積もるのは毎週のようにあります。自分の家の前の雪かきはするのがルールのようですが、マンションに住んでいるので管理人さんにやってもらえています。

逆に夏は涼しく過ごせそうなイメージがあるかもしれませんが、上田市は盆地だからか暑いです。東京と比較して2,3℃くらいしか違わないようで、多少はマシかなくらい。ただ、避暑地として有名な軽井沢や、標高2000m級の山がそこかしこにあるので、簡単に脱出して涼しく過ごすことはできます。逆に9月になると寒くなってくるので、下界が猛暑の時が登りどきかもしれません。

晴天率が高いこともアウトドア好きには嬉しいです。周りの山々には雲がかかっていて、上田の盆地だけ晴れている日も結構ありました。

まとめ

長野県上田市に移住して良かったこと悪かったことを都会の生活と比較して書いてみました。都会的な煌びやかさはありませんが、大自然と隣り合わせなのに、そこそこ便利な暮らしができます。長野らしさ、上田らしさをもっともっと探し出して楽しみ尽くしたいと思います。

  • 登山、サイクリング、スキー、キャンプなんでも近場で楽しめて最高!!(←これを期待してた)
  • 旅行は場所を選ぶ。特に関西方面は行きにくい。
  • 家賃が安くその分生活水準が上がる。
  • 街を選べば車がなくても生活できるが、あったほうが遊びの幅が広がる。
  • 東京に出るのは時間こそかかるが、座って机付きで快適。
  • 夏は暑いが高山へ逃げられる。冬は寒いがモノで解決できる。

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