
ネパールの人気コース アンナプルナトレッキングにチャレンジ
地球の屋根とも呼ばれるヒマラヤ山脈のアンナプルナ山群を拝むため、年末年始の休みを使って三泊四日のトレッキングに行ってきました。
アンナプルナ周遊トレッキング / betaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
今回のコースはウレリという村から歩き始め、ゴレパニ、タダパニ、ガンドルックに宿泊するルートでした。さらに、ゴレパニから歩いて1時間ほどのプーンヒルにも登頂しています。
コース決めのポイントは、非常に人気のコースで景色が良いこと(エベレスト街道よりもこちらのほうが好きという現地の方が多いようです)、拠点となるポカラという街に向かう飛行機が比較的欠航になりにくく安定していたこと、高山病のリスクが低い標高3000m程度までに抑えたこと、できるだけジープで山の近くまで移動して歩く距離が過剰にならないようにしたことなどです。
登山開始のウレリまで移動

アンナプルナトレッキングの拠点となるのは、ポカラという街です。首都カトマンズのトリブバン国際空港から飛行時間30分ほどのアクセスです。フェワ湖という湖沿いに栄えた街で、ここからもアンナプルナの山々が見えました。
ポカラではトレッキングでお世話になる旅行会社と軽く打ち合わせをしました。今回の旅は、ポカラにあるEASTERN LIGHT TREKという旅行会社のパッケージプランをベースに、歩く距離が短くなるようにアレンジして使っています。
案内役のガイド、荷物を運んでくれるポーターの二名体制に加え、宿泊費や食費、ジープでの送迎、トレッキングポールの貸し出しなど込々で一人324米ドル(約5万円)でした。

今回のトレッキングについてきてくれたガイドのチャクラさん。登山中の案内にとどまらず、食事の注文や宿の手配、追加の毛布の交渉などもすべて快く引き受けてくれました。

登山を始めるウレリまではジープでの移動になります。旅行会社の車でホテルまで迎えに来てくれました。

車で30分ほど走ったところで、アンナプルナの山々が近くに見えるところで止まって写真を撮らせてくれました。ポカラから見るよりもずっと近く、大きく山を見ることができました。ただ、残念ながら、この日見られるのはここが最後とのこと。

途中のビレタンティという村で車を降りて、何かの手続きをしてくれたのだと思います。このような手続きもガイドにすべてお任せできました。
ここからの道は舗装されておらず相当ひどいものでした。ものすごい勾配に、激しい凹凸のせいで車が大きく揺れ、しっかりつかまっていてもなんども天井に頭をぶつけました。さらに車で小川を渡ることもありました。

ドライバーの安全運転のおかげで無事トレッキング開始地点のウレリに到着。我々はジープでカットしましたが、車を降りたビレタンティから歩いてくることもできるようでした。
プーンヒルのふもとのゴレパニへ

ウレリからゴレパニに向かって歩きます。標高はすでに2100mです。

登山道の横をニワトリとヒヨコが歩いていました。

1時間も歩かずに昼食を食べました。「fried rise」を注文。いわゆるチャーハンです。見た目は地味ですがニンニクの香りが食欲を引き立てとてもおいしかったです。

しばらくはジープでも走れる道を歩きましたが、とうとう終点。ここからは車の来ない山道です。

登山道の簡素な橋と、ネパールらしさを感じる旗が。ガイド曰くこの旗は仏教徒が安全祈願でかけているのだとか。

荷物を持った馬が!日本で暮らしている限りゲームの中でしか見る機会がないので、とても不思議な気持ちになりました。

お昼を食べてから1時間少々でナンゲタンティという街に到着。標高は2500mほど。カラフルな建物がきれいです。
当初の計画では、ここで一泊する予定だったのですが、この日は余力があったのと、翌日が長くきつい工程だったので、ゴレパニまで行くことにしました。宿の手配への連絡もガイドが電話でしてくれました。

今回のルートを通して、水牛や馬の糞がたくさん落ちていました。よそ見はほどほどに、足元への注意が欠かせません。

一時間ほどでゴレパニに到着!と思ったのですが、ここは単なる入り口。宿泊するロッジはもっと上のほう、写真上部の建物と同じ高さにありました。宿の標高は2800mくらいでした。

村の中は階段だらけ。もちろん車などいません。

宿のロッジではジンジャーレモンハニーティーを飲んで暖まりました。夕食を待つ間、宿泊している登山者が暖炉の周りに座っていました。

夕食で注文したダルバート。カレー味の肉料理(カレーではないのか?)とダル豆のスープです。日本のカレーライスとは違う料理ですが、基本は似た味で癖も少なく食べやすいです。
早朝の絶景を見にプーンヒルへ

翌日は朝日を見るため暗いうちに宿を出発。ヘッドライトの光を頼りにプーンヒルを目指します。おそらく通行証のやり取りをしていたのだと思います。

後ろを振り返るととんでもない高さの山に追いかけられてるような気持ちに。明るくなれば間違いなく絶景だと期待しながら登りました。

プーンヒルの展望台が見えました。結構ペースを上げて登ってしまい、高山病の初期症状なのか軽い吐き気を感じましたが、息を整えたら収まりました。

日の出前にプーンヒルに到着。ゴレパニからは1時間ほどかかりました。

アンナプルナサウス(中央やや左)とフィッシュテイルでも知られるマチャプチャレ(右奥)が朝日を浴びてすばらしい景色でした。

こちらは世界No. 7の高さのダウラギリ。標高は8167mです。

昨夜に続きジンジャーハニーレモンティー。寒い中ところでの暖かい飲み物は格別ですね。
この年は曜日の並びが良い年末年始ということもあり、プーンヒルへの道ではかなり日本語が聞こえてきました。70代くらいのおばあさんも登っていました。プーンヒルまでは山登りを趣味にしている人なら一泊二日でこれそうなので、かなり人気があるのだと思います。

ゴレパニに戻ってきました。前日到着したときは曇っていたのですが、晴れたら白い雪山とカラフルな建物の対比がとてもきれいな街です。

一仕事終えた後の朝食。道を歩いていた鶏が産んだであろう新鮮な卵の目玉焼きに、カレー風味の炒めもの、ほんのりとした甘みがついたチベットスタイルのGurung bread(ちょっとドーナツっぽいパン)。どれもとてもおいしくて、トレッキング中は毎朝このメニューを注文しました。
きついアップダウンを超えてタダパニへ

ゴレパニからはプーンヒルとは反対側に上ります。ひと登りしたところで景色が開けました。写真奥の雪山がダウラギリ、左端の緑の山がプーンヒルです。この年は雪がありませんでしたが、3年に一度くらいは年末年始でも雪があるそうです。

プーンヒルもよかったですが、このあたりは人が少ないので静かにヒマラヤの山々の景色を楽しめました。

水牛の落とし物をたくさん見てきましたが、ここで生産者に遭遇。体が大きいので近づくのは少し怖いですが、基本的にはおとなしいようです。

二時間ほど歩いてバンタンティに到着。ここは青い建物が多いですね。

またまたジンジャーレモンハニーティーを注文。かなり気に入っていますw。ここのはあまり細かく刻まれていないショウガが入っていて、食べると体が熱くなるのを感じました。

小川に出ました。ここからはしばらく川を下ります。この辺りは日本の山の景色に似ているなと思いました。そして石を積みたくなるのはどこの国でも同じなのでしょうか。

白いサルを発見!こいつ以外にも頭上の枝の上を何匹か器用に渡っていきました。

今度はロバ?

この日のラストスパートでタダパニに向けて最後の登り。下ってきて疲れている足にはきつかったです。
タダパニからの絶景

タダパニに到着。青い屋根の向こうにマチャプチャレが見えています。ゴレパニを9時半に出て、タダパニについたのが15時半。休憩なども含めて6時間かかりました。

ロッジはどこもこんな感じで、ベッドの周りに荷物を置いたらほぼ居住空間はないです。

隙間風がかなり寒かったですが、追加の毛布をもらったり、ナルゲンボトルにお湯をもらって湯たんぽにすることで十分しのげました。

残念ながら雲の多い天気でしたが、想像のはるか上にマチャプチャレが見えていました。

暖炉の前で休んでいるうちに晴れました!ちょうど夕日の時間で村の高台に上って最高の夕景を見ることができました。

アンナプルナサウスの標高は7219m、タダパニの標高が2700mほどなので、標高差はなんと4500m。富士山以上の標高差の山をかなり近くから見上げることになり、その高さは圧巻です。
個人的には、プーンヒルよりもここタダパニのほうが山が近くてお気に入りです。

夕食にはダルバートを注文。ダル豆のスープはお店によって色が違うようです。

さらにネパールの餃子「モモ」も頼んでみました。餃子自体の味は、日本のものに似ていますが、しょうゆではなく、少し辛みのあるソースを付けます。

翌朝は雲海が出ていました。日の出が近づくにつれて雲が上がってきてしまいましたが、朝日に照らされたアンナプルナサウスを拝むことができました。ネパールは日本よりも3時間15分遅れの時差があるので、早起きがしやすいのもうれしいポイントです。
ガンドルックへ急な下り
三日目はタダパニからガンドルックまでくだります。地球の歩き方の地図には「ガンドルン」というカタカナが当たっており、Ghandrungと書かれているのですが、YAMAPはGhandrukと書かれており、ガイドもガンドルックという発音だったので、このページではガンドルックと記載しています。

タダパニを出てすぐのうちは、傾斜を横切るような道で、緩やかで歩きやすかったです。

40分ほどでバイシカルカという小さな村に到着。軽く座って休憩しました。

バイシカルカからはかなり急な石段で、結構きつかったです。足がガクガクニなります。

一時間ほど歩いてちょっとした公園(?)で座って休憩。だんだんとマチャプチャレが近づいてきました。

ロバなのか確信が持てない動物。登山道は動物優先ですw

さらに40分ほど歩いてガンドルックに到着。

お昼はチキンカレー。ちょっぴりピリ辛で、コクのあるスープカレーにごろごろ肉が入っていました。とてもおいしかったので、夜も同じものを注文してしまいました。
ガンドルックの街並み

翌朝、ガイドがガンドルックを案内してくれました。

街にはいたるところに階段が。一周歩くだけでも結構大変。

細い路地を歩いていてもアンナプルナサウスがのぞき込んできます。

五色の旗が至る所に立っていました。

ガンドルックは建物の色は控えめですが、屋根まで石でできているのが特徴的です。

ロッジに戻って絶景の中の朝食。相変わらずのGurung breadと目玉焼きとカレー風味の炒め物。
後ろ髪を引かれる思いで帰路へ

ガンドルックからも石段を下ります。

30分ほどでジープの待ち合わせ場所に到着。思ったよりも近かったですが、結構足に疲労がたまっていたのでこれくらいが引き際かな。

ポカラの近くのサランコットという丘からも山を眺めました。ここはたくさんの観光客でにぎわっていましたが、自分は昨日まであの山のずっと近くにいたんだなという妙な優越感を感じました。
三泊四日のトレッキングは日本でもしたことがありませんでしたが、無事歩ききることができました。ポーターが荷物を持ってくれて、身軽に歩けたのも大きかったと思います。