スイス・イタリア旅行5〜氷河特急に乗ったら途中で運転中止になった〜

氷河特急の概要

今回乗った氷河特急はスイス南部を東西に横断する列車です。名前の通り氷河の絶景を見られるようなルートを走ります。今回予約したサン・モリッツ(St. Moritz)から終点のツェルマット(Zermatt)まで乗り通すと8時間の旅程となり、世界で一番遅い特急と言われています。

氷河特急は非常に人気の特急で、繁忙期となる夏季は予約ができるようになる3ヶ月前になったら窓際はかなり早い段階で満席になるようです。

氷河特急に乗るためには、運賃を払った証明である切符(ticket)と座席の予約が必要です。座席の予約は氷河特急の公式ページからやりました。切符は、スイス国内の鉄道が乗り放題になるスイストラベルパスがおすすめです。知らない土地・言語で鉄道に乗るたびに切符を買うのはストレスになりやすいので、切符のことを気にせず移動できるのはとてもありがたかったです。

さらに、座席の予約とセットで昼食の予約もできました。スイスは外食の価格が結構高く、1食で50スイスフランほどすることもザラにあり、特別車内の食事が高いというわけではなさそうでした。

サン・モリッツを出発

今回の出発地サン・モリッツは有名なリゾート地で、山にはいくつものロープウェイやゴンドラがかかっていました。冬季オリンピックが2回開催されているようです。

駅の隣にはザンクト・モリッツァ湖が居座っており、カヌーなどを楽しんでいる人がいました。冬にはガチガチに凍ってスケートリンクにでもなるんでしょうか。

いよいよ氷河特急に乗り込みます。派手な赤色に「GLACIER EXPRESS」と書かれているので間違えることはないと思います。

外の派手な赤色とは打って変わって、室内は木目調になっていました。窓が天井まで付いており、高い山を見ることができるようになっていました。

テーブルは折りたたみ式になっているので、腰回りの圧迫感が緩和されています。食事の時などはテーブルを開いて広く使うこともできます。

向かいの席の人が知らない人だとストレスになるので、2人で旅をするときは横並びではなく、窓際の2席を取るのがお勧めです。

サン・モリッツを出発。雪がないスキー場の草原を景色が広がります。

山道をぐるぐる下る

サン・モリッツを出るとトンネルをくぐりつつも、いくつものループ線やS時カーブを通って高度を下げていきます。写真のように、通ってきた線路が上の方に見える場所がたくさんありました。石で作られたアーチ橋が特徴的ですね。

近くにも遠くにも、高い山々がそびえており、谷間にちょっとした街が広がっていました。もちろん、線路もセットで見えてました。鉄道模型みたいな景色ですね。

ここの谷間の街はフィリスールという街です。駅はかなり新しく、綺麗な木の屋根でできていました。ここから枝分かれしてダヴォスという観光地へと続く線路が通っているようです。

フィリスール駅を出てまもなく、ラントヴァッサー橋が見えてきます。この橋は高さ65mの急カーブの橋で、ベルニナ急行と氷河特急両方のカバー写真などにも使われる綺麗な橋です。

山を下ったところで事件発生

一通りの山道が終わり、クール(Chur)へ向かって走っていたところで、乗員が紙を配り、列車の運転が中止されることを発表しました。車内は騒然とし、みんなで残念がりました。

紙に書かれた略地図のルートの通り、チューリッヒ、ベルン、フィスプを経由して、氷河特急の終点ツェルマットまで行くことになりました。

程なくしてクール駅に到着。食べられるはずだったランチに思いを馳せながら、もっと長い旅をするはずだった氷河特急の車両に別れを告げました。

迂回ルートの旅

クールからは二階建ての列車に乗って、田園地帯を駆け抜けます。

乗り換えルートについては、Google Mapを使えば、駅の発着番線までしっかり出してもらえました。運賃についても、氷河特急のチケットがあれば良いと聞いていましたが、スイスの鉄道が乗り放題になるスイストラベルパスを持っていたおかげで面倒な説明をする必要もありませんでした。

チューリッヒに到着。首都ではありませんが、スイスでは一番栄えている都市のようです。

電車はこのままスイッチバックをしてベルン方面へと走ります。

チューリッヒからベルンまでは1時間半近くかかりました。ベルン駅から数km離れたところに旧市街が広がっており、チューリッヒとは違った雰囲気の建物が並んでいました。

ベルンで乗り換えてツェルマットに向かって南下します。ここからは、左側の車窓がとても綺麗でした。写真の湖はトゥーン湖です。

そしてとても綺麗な雪山が見えました。おそらくユングフラウなどの山々かと思います。後日行く予定だったのですが、図らずもネタバレを喰らってしまいましたw

フィスプ(Visp)で最後の乗り換えを済ませます。ここからは、氷河特急も走るルートだったのですが、当然車両はおらず普通の列車に乗ります。

この路線の勾配が急な区間は、2本のレールの間にラックレールと呼ばれる歯車のレールが用意されており、ここに車両側の歯車を噛ませて登っていきます。

無事ツェルマットに到着。かなりの遠回りになったにもかかわらず、到着した時刻は氷河特急の到着時刻よりも早かったです。さすが世界一遅い特急ですね。

この日は、左側に写っている建物の宿に泊まりました。

窓からマッターホルンが見えるとてもいい部屋でした。

翌日は、ツェルマットから出ているゴルナーグラート鉄道に乗ってゴルナーグラートへ行きました。

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