起伏に富んだ地形の甑島(こしきしま)で島時間を楽しみながらサイクリング

九州の西に浮かぶ鹿児島県の甑島(こしきしま)でサイクリングしてきました。

甑島は北東から南西に向かって細長い形をしており、北側から上甑島、中甑島、下甑島の3島が橋で結ばれています。

坂が多くて大変ではありましたが、変化に富んだ地形、綺麗な橋、おしゃれなカフェなど、楽しむものがたくさんありました。

フェリーで甑島へ

甑島には空港はないのでフェリーでアクセスすることになります。

今回は甑島商船の高速船「甑島」です。鹿児島県の川内港を出発して甑島の北側に位置する里港を経由し、南側の長浜港までの航路を1日2往復しています。

川内港までは九州新幹線も止まる川内駅からシャトルバスでアクセスできました。片道150円と破格です。車椅子スペースに自転車を置くこともできました。

高速船「甑島」です。自転車は輪行時のホイールが外された状態で持ち込む必要があります。

船内は前向きの座席やテーブル付きのパーティ型のスペースなどがありました。

帰りに気づいたことですが、窓際よりも中央の方が揺れが少なく酔いにくそうでした。酔いやすい人は試してみてください。

甑島の北側の里港までは50分ほどです。ほとんどの人は里港で降りて行きました。

里港からは甑島の西側を進みます。中甑島と下甑島を結ぶ甑大橋が見えました。甑大橋は令和2年8月に開通した新しい橋です。

下甑島の長浜港に到着。

着いたら早速昼食

長浜港に到着して輪行解除していたらお昼です。

長浜港近くの「下甑製作所」で日替わりランチの鶏肉のアヒージョをいただきました。

甑島の激坂の洗礼

甑島には細長い島に沿って一本だけ道路があり、今回の旅ではこの道路を北上するプランでした。この道が平坦なところが全くなく、ひたすらアップダウンを繰り返す道でした。

写真は長浜港から最初の坂を登り切ったところ。写真中央の港が長浜港です。

平坦な海岸線は全くありません。勾配は大体10%前後、急なところは15%くらいがサイコンに表示されました。

標高はここが一番高かったようですが、この先も10%前後のアップダウンが繰り返されました。

甑島の魅力は島のスケールが小さく、細長い島の形を目で見て体感できることだと思います。起伏の多い島に橋をかけトンネルを掘り、なるべく坂が急にならないように頑張って道が通されていました。この道を自転車という自力でないと進まない乗り物のおかげでじっくり体感できました。

甑大橋

長浜港から10km少々進むと甑大橋が見えてきます。

甑大橋は令和2年8月の開通ということで、下甑島から上甑島へ向かう旅が自転車だけでできるようになったのはつい最近のことなんですね。

甑大橋を上から見下ろせる鳥ノ巣山展望台へ行くため、橋の手前で左へ分岐します。

鳥ノ巣山展望台ではまっすぐな端、青い海、緑の山の景色が待っていました。10%以上の激坂を獲得標高で70mほど登ることになりますが、必ず行って見てほしい景色です。

甑大橋そのものもとてもよかったです。

下甑島から中甑島へ渡る際は、必ず途中の退避車線で後ろを振り返るべきです。下甑島の急峻な崖に人間が開けたちっぽけな抜け穴が見えます。

中甑島を超えて上甑島へ

甑大橋を渡った先の中甑島はほとんどがトンネルのため、足を止めることなくすぐに通過してしまいました。

中甑島と上甑島の間は甑大明神橋で結ばれています。

この橋から見える甑大明神の岩が、SNSのいいねボタンのように親指を立てた形で面白いです。にしてもどうしてあそこに鳥居を立てようと思ったのか…

上甑島の地形をめぐる

一泊して翌日は上甑島をめぐりました。上甑島は海岸地形が面白いところでした。

こちらはトンボロ地形(陸繋砂州)です。二つの島の間に海流で運ばれてきた砂が溜まって繋がった地形です。そのため、甑島の起伏の多い地形に反してここは平地です。

高速船が止まる里港はこのトンボロの上にあります。

こちらは、長目の浜。海の水が堰き止められる形の砂州で、形成された湖はラグーンと呼ばれます。ここには4つのラグーンがあるのですが、不思議なことに塩分濃度が全て違うそうです。

長目の浜へは降りることができました。「砂州」なので細かい砂でできた砂浜をイメージしていましたが、実際は結構大きな石が転がっていました。

もちろん、元の道に復帰するために結構登らされました。

長目の浜の先の田尻展望所まで行くと、ラグーンと陸繋砂州をまとめて拝むことができます。

カフェで一休み

サイクリングの疲れを癒すカフェにも行きました。

コシキテラス

甑大明神橋の近くにあるコシキテラス。食べ物だけでなく、お土産売り場や観光船の受付などもありました。

昼食としてスペシャル断崖バーガーを注文。セットのドリンクには島アロエソーダを選びました。ガツンとした酸味が疲れに沁みました。

別の機会があったので「きのすミルク」の島旅ジェラートも食べてみました。「きのす」は「木の酢」からきていて、甑島の橙のことだそう。味はみかんに近いですが、酸味が強かったです。

オソノベーカリー

里港近くのオソノベーカリーにも行ってきました。外からは周辺の民家と区別がつかず、一度通り過ぎてしまいました。

古民家の雰囲気を残しつつリニューアルしたそうです。ゆったりとした時間を過ごすことができました。

島旅珈琲ゼリーミルクとメロンパンを注文。島旅珈琲ゼリーミルクには黒蜜が付いており、珈琲の苦味にマッチした甘みが疲れた体を癒してくれました。

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